陸上自衛隊北富士演習場(山梨県富士吉田市)の地下に、富士フィルムの巨大アドレナクロム工場があり、先日の大規模な火災は米軍海兵隊がこの施設を破壊するための作戦上のものであったという
ストーリーが、陰謀論好き界隈で起きていますが、これは100％ウソの創作話であります。
その理由を以下に書いてみたいと思います。
① 地質が溶岩とその堆積物なので、地下施設を作れるような地質ではない
北富士演習場の地質は、溶岩とその堆積物
上記画像は、北富士演習場及び周辺の地質図であります。画像中央あたりが北富士演習場になります。(吹き出しの下あたり)
演習場の地質は、2種類。灰紫色が玄武岩(溶岩・火砕岩)、薄い黄色が火山岩(火山麓扇状地堆積物) 、要は、溶岩とその堆積物のみ、ということです。
こんな地質の場所に地下施設を作ることは、もちろん不可能なことではありませんが、地下施設を作るには最も不適な地質ですから、建設コストや時間を考えると、この場所を選ぶ意味は全くありません。
② 毎年野焼きをする
毎年4月、このエリアは
組合によって野焼きが行なわれます。そんな場所の地下に製薬施設なぞあるはずありません。また、組合員は民間人ですから、そのような秘密施設を民間人が立ち入れる場所に作ることも有り得ません。
③ ちょいちょい火災を発生させている
陸上自衛隊北富士演習場で火災 2011/04/27
過去にも、北富士演習場では火災事故を起こしています。上記YouTube動画は2011年のものですが、映っている自衛隊ののんびり加減さが「またか」という雰囲気を漂わせています。「火災は野焼きの前座」くらいに思っているのかもしれません。
④ 一般立ち入り日が設定されていて、オフローダーの天国になっている
自衛隊の爆破訓練場に クルマで進入してみた【北富士演習場}
セロー散歩：晩秋の富士山麓 陸上自衛隊『北富士演習場』潜入レポート‼
一般立ち入り日というのが組合で設定されていて、事前申請をしておけば、誰でも自由に入れることが出来るため、オフローダーのパラダイスになっているようです。
また、この敷地は組合の財産区でもあるため、組合員は自由に出入り出来るとのこと。
地下を掘るのが困難な地質で、毎年野焼きがあって、民間人が自由に出入り出来る場所、それが陸上自衛隊北富士演習場であります。
そんな場所に「地下に巨大施設がある」と真顔でもっともらしいことを言うから、陰謀論はいつまで経っても陰謀論のままなのです。
目を覚まさなければいけないのは、果たしてどちらのほうなのでしょうか。
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