上海電力による咲洲メガソーラー事業の問題点を考える

橋下氏と上海電力との怪しい関係については、ジャーナリストの山口敬之氏が丹念に調べ上げていて、それらの記事が月刊Hanadaプラスに掲載されています。

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①から⑨まで、それぞれかなりのボリュームで読み応え十分の記事となっているので読破するには少々時間が掛かるかと思いますが、それだけに問題点がどこにあるのかがとても分かりやすくなっています。

問題となっている点をおおまかに整理すると、以下のようになります。

①　事業の計画から入札までの期間が短い
大阪市のメガソーラー事業は、橋下氏の前任の平松市長時代には夢洲1カ所のみでの計画であり、咲洲については事業計画がされていなかった。つまり咲洲は、橋下氏が市長に就任してから事業が計画されたものであり、市長に就任してから入札まで丁度1年と、異例のスピードで事業が進められた。

②　入札が「土地賃貸契約」であり、また、公募期間が18日間と短い
先行して計画された夢洲については、企画提案募集からプレゼンテーションを経て契約を行なっている(開始から契約まで5か月)のに、咲洲については「メガソーラー設置を前提とした土地賃貸契約」での入札。これにより入札参加要件が緩和され、メガソーラー設置の実績がない企業連合体が落札することになった。また、公募期間が18日間と短かったこともあり、応札はこの1社のみであった。

③　発電開始期限の限度を過ぎても未着工のまま、それを大阪市も放置
契約から約半年後に発電を開始するというのが条件であったにも関わらず、限度を過ぎても未着工のまま。それに対し、大阪市は具体的なアクションを何も起こさず。本来であれば、契約不履行として一旦契約を破棄して改めて入札を行なうのが筋かと。(事業に参入したい企業は数多くある)

④　入札に全く関与していない上海電力日本(株)が合同会社に参入し施工
入札後に設立された上海電力日本(株)がこの事業に後から参入し施工。入札に全く関与していない企業が、後から事業に参入(「ステルス参入」と呼ぶ)するのは、契約上果たして問題は無いのか。さらに、細かなことを言えば、起工式の時点では合同会社に未参入(参入は1ケ月後)であったことも果たして問題は無かったのか。また、上海電力が合同会社に加入したことを大阪市に通知したのは、工事完了後発電が開始されてから1ケ月以上も後なのだが、これも問題は無かったのか。民間同士の契約でも有り得ないことを大阪市は契約上の不備は全く無いと考えているのか。

⑤　上海電力がこの事業に参入した事や経緯が全く市民に通知されていない
重要なインフラである発電事業に、外国資本が参入すること・参入していたことを大阪市民は全く知らされていない。市民を守る行政の立場としてこの姿勢は正しいものなのか。

また、この「ステルス参入」スキームが成功したことにより、国内での施工実績を作った上海電力日本は、同様のスキームを利用するなどして全国各地(兵庫県三田市、山口県岩国市、福島県西郷村等)にメガソーラー事業を展開して行ったという点も問題点として挙げられている。

次回記事では、入札の問題点について少し考えてみたいと思います。


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